メルマガ
2018年11月27日
【26日の米国株、ダウ平均は5日ぶりに反発 354ドル高】(11月27日配信)
マーケットコメント 2018年11月27日 (火)
【26日の米国株、ダウ平均は5日ぶりに反発 354ドル高】
11月26日(月)のニューヨーク金融市場
相場のポイント
- 26日の米株式市場で主要3指数は大幅上昇、ニューヨークダウは前週末と比べて354ドル高の24,640ドルで終えた。S&P500種は同1.5%上昇し、全セクターが値上がり
- 米年末商戦が昨年を上回る好調なスタートを切ったとの報道や、米景気指標が改善を示したこと、原油価格が反発したことなどが買い材料となった。イタリアが19年度予算案の財政赤字の削減を計画していると報道されイタリアの長期金利が大幅に低下、イタリアやドイツなど欧州株が大幅高となったことも追い風
- アマゾン・ドット・コムが5%超の上昇。アルファベット、ツイッター、フェイスブックなど大型IT関連も大幅上昇となり、ナスダック総合は2%高。ダウ採用銘柄ではマイクロソフトが3%超の大幅高となった
- 投資家の不安心理を示す米VIX指数は18.9と節目の20を割り込んだ
米長期金利
- 10年国債利回り:3.05%(前日3.04%)、リスク回避姿勢の後退から投資資金は債券から株式へシフトし債券売り(金利上昇)
ニューヨーク為替相場
- ドル円相場:1ドル=113.57-113.58円(前日112.95-113.05円)とドル高・円安
米主要株価指数
- ニューヨークダウ30種平均:24,640ドル(前日比+354ドル)
- S&P500種株価指数:2,673ポイント(前日比+40)
- ナスダック総合株価指数:7,081ポイント(前日比+142)
- 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,201ポイント(前日1,179ポイント)
- 米VIX指数(恐怖指数):18.90(前日21.52)
S&P500種株価指数の主な上昇・下落業種
- 上昇:一般消費財、情報技術、金融、コミュニケーションなど
- 下落:なし
ニューヨークダウ30種平均への主な上昇寄与度・下落寄与度銘柄
(ダウ平均変動幅への影響)
- 上昇寄与:ゴールドマン・サックス、ユナイテッドヘルス・グループ、ボーイングなど
- 下落寄与:ユナイテッド・テクノロジーズ、コカ・コーラ
国際商品市況
- ニューヨークWTI原油先物1バレル=51.63ドル(前日比+1.2ドル)
- ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,222ドル(前日比+0.8ドル)
データを参照したサイト
https://nikkei225jp.com/nasdaq/
金融市場に影響したと思われる材料
- 米調査会社アドビ・アナリティクスによると、年末商戦の始まりとされる11月23日の「ブラックフライデー」のインターネット通販の売上高は前年比24%増の62億ドルと同社の予想を上回った。11月1日~25日のネット通販の売上高も約506億ドルとなり過去最高だった前年(435億ドル)を大きく更新、同社の予想(497億ドル)も超えた→ネット通販大手アマゾン・ドット・コムの株価は5.2%の大幅高でナスダック市場をけん引
- 米シカゴ連銀が26日発表した10月の全米活動指数は前月比0.1ポイント上昇のプラス0.24。プラス圏で推移するのは5ヵ月連続。同数値がゼロを上回ると米経済成長率が過去平均を上回っていることを示す→最近、米経済が減速を示唆する指標が出ていたので明るい材料
- ドイツIFO経済研究所が集計した11月のドイツ企業景況感指数は102.0で前月の102.8から低下。3ヵ月連続の低下で市場予想の102.3も下回った→米中貿易摩擦が影響していると見られ、ドイツ経済に対する楽観的見方が後退している状況が浮き彫りになった
当面のマーケットのポイント
【重要な節目で一旦押し戻された日経平均】
- 26日の日経平均(大引けは21,812円)は全体の地合い好転で回復したが節目で押し戻された。重要な節目は一目均衡表の基準線(21,822円)と25日移動平均線(21,851円)。26日の海外市場が大幅高で推移しており、本日以降、この節目を突破、持続的に上回れるかが本格的な投資家心理改善のカギを握っている
【米モルガン・スタンレー、日本株のウエイトを引き上げ】
- 米モルガン・スタンレーは25日付けのレポートで日本株の投資判断を3段階で真ん中の「イコールウエート」から最上位の「オーバーウエート」に引き上げた。2019年末までの企業収益の拡大が続くほか、相場の割安感が修正されるとみているため。TOPIXの目標水準を19年12月時点で1,800(26日のNT倍率から試算すると日経平均換算値は24,048円)とし、26日時点の終値1,632を約10%上回ると予想した
- TOPIX採用銘柄の1株利益は19年12月に前年比で5.4%増益と予想。日本経済全体の生産性改善や、企業による自己資本利益率(ROE)向上などを背景に日本株の見直しが進むという。12ヵ月後の予想PERは足元で12.1倍過と去5年間の平均を下回るが、13.5倍まで切り上げると予想している
【大阪万博決定で現実味を増す大阪・夢洲IR(統合型リゾート)】
- 2025年大阪博覧会(万博)の開催地が大阪に決定した。1964年に五輪を開催した東京は56年後の2020年に再び五輪を開き、1970年に万博を開催した大阪は55年後の2025年に再び万博を開く。日本の2大都市による国際社会への再アピールの機会となる
- 大阪万博開催決定により、大阪・夢洲IR(統合型リゾート)が実現する公算が大きくなった。第1に大阪・夢洲は政府が進めるIR候補地の有力地であり、大阪万博と同じ敷地のため効率的なインフラ投資が可能になる。第2に、政府の計画では2024年にIR開業、翌25年に大阪万博開催とほぼ同時期のため、国内外の顧客にアピールしやすい。第3に2つのプロジェクトにより想定以上の経済効果が期待できる
- 政府の試算では大阪万博の経済効果は約2兆円。また関西経済同友会の試算では大阪・夢洲IR実現化は5,000億円~6,000億円規模のビジネス、7,000億円~8,000億円規模の投資、10万人弱の雇用を関西にもたらす一大事業としている
- 外国人観光客に人気が高い大阪での万博開催によってインバウンド消費は新たなステージに入るかもしれない。東京五輪後に建設不況→景気後退が懸念されたが、夢洲・IR誘致が実現すれば経済の下支え効果と、場合によってはデフレ脱却の起爆剤になるかもしれない
- 外国人投資家の長期的日本株シナリオの見直しにつながるかもしれない
11月26日の東京株式市場
主要株価指数
- 日経平均株価:21,812円 (前日比+165円)
- TOPIX:1,632ポイント(前日比+3)
相場のポイント
~日経平均は2日続伸、大阪万博開催決定で投資家心理がやや改善兆し~
- 26日の東京株式市場は2日続伸、日経平均は前日比165円高の21,812円で取引を終えた。東証1部の銘柄騰落数は値上がりが1,119、値下がりが915と買いが優勢だった
- 2025年大阪万博開催が決定し建設株や倉庫・運輸株の一角が買われ全体の地合いが改善
- 原油安を嫌気した石油株や米長期金利低下を受けたメガバンクや保険が売りに押された
- 日経平均上昇に寄与した銘柄はユニー・ファミマ、ファーストリテイ、ファナック、ダイキン、コナミHDなど。下落に寄与したのはリクルートHD、大和ハウス、塩野義など
主要な市場内指標
- NT倍率(日経平均÷TOPIX):13.36倍(前日13.29倍)
- 東証1部売買代金:21,733億円
- 東証1部年初来高値銘柄数30 /年初来安値銘柄数54
- 東証1部値上がり銘柄数1,119 /値下がり銘柄数915
- 東証1部騰落レシオ:90.19(前日86.73)
- TOPIX33業種
上昇上位:ゴム、パルプ紙、海運、倉庫運輸など
下落上位:鉱業、空運、石油石炭、保険など
- 日経平均寄与度(日経平均の変動幅に影響した値幅)
上昇寄与度:ユニー・ファミマ(+41円)、ファーストリテイ(+22円)、ファナック(+20円)など
下落寄与度:リクルートHD(‐9円)、大和ハウス(‐3円)、塩野義(‐3円)など
(お願い)
海外市場のデータは取得時のものであり、速報値の可能性があります。
閲覧・購読者自身でご確認いただきますようお願いします。
以上
—– アナリスト・トレーニング —–