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2018年11月26日
【23日の米国株は下落、ニューヨークダウは前日比178ドル安と4日続落】(11月26日配信)
マーケットコメント 2018年11月26日
【23日の米国株は下落、ニューヨークダウは前日比178ドル安と4日続落】
11月23日(金)のニューヨーク金融市場
相場のポイント
- 連休の谷間で短縮取引となった23日の米株式市場で主要3指数は揃って下落、ニューヨークダウは前日比178ドル安と4日続落となった
- WTI原油先物が1バレル=50.42ドルと1年7ヵ月ぶりの安値となり、S&P500種セクター別でエネルギーが前日比3.2%の大幅下落
- 原油安を嫌気したエネルギー株の下落や新型スマホの値下げが報じられたアップルが下落しダウを押し下げた。アップルとシェブロン、エクソンモービルの3銘柄でダウを約70ドル押し下げた。さらに航空機関連のボーイングと金融のゴールドマン・サックスを加えたダウ下落寄与度上位5銘柄でダウを約113ドル押し下げており、全体(ダウは178ドルの下落)の約63%を占めた。値がさ株の下落が主導したことがわかる。一方、ナスダック総合は0.48%の下落とダウ(0.73%下落)より小さかった
- 原油安や株価下落を受けリスクを回避する投資資金が米国債や米ドルに向かい、米長期金利は3.04%と低下(債券相場は上昇)、為替は1ドル=112.90円台の取引となった
米長期金利
- 10年国債利回り:3.04%(前日3.06%)
ニューヨーク為替相場
- ドル円相場:1ドル=112.95-113.05円(前日113.05円)
米主要株価指数
- ニューヨークダウ30種平均:24,285ドル(前日比-178ドル)
- S&P500種株価指数:2,632ポイント(前日比-17)
- ナスダック総合株価指数:6,938ポイント(前日比-33)
- 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,179ポイント(前日ポイント1179)
- 米VIX指数(恐怖指数):21.52(前日20.80)
S&P500種株価指数の主な上昇・下落業種
- 上昇:生活必需品、公益、ヘルスケア
- 下落:エネルギー、コミュニケ-ション、素材など
ニューヨークダウ30種平均への主な上昇寄与度・下落寄与度銘柄
(ダウ平均変動幅への影響)
- 上昇寄与:ユナイテッド・テクノロジーズ、ユナイテッド・ヘルス、ウォルマートなど
- 下落寄与:ボーイング、アップル、シェブロンなど
国際商品市況
- ニューヨークWTI原油先物1バレル=50.42ドル(前日比-4ドル)
- ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,223ドル(前日比-4ドル)
データを参照したサイト
https://nikkei225jp.com/nasdaq/
当面のマーケットのポイント
【ニューヨーク株式市場の下げ止まりがカギ】
- 米S&P500種株価指数は年初来の騰落率で0.9%下落とマイナスとなった。業種別ではコミュニケーションが年初来で同13.4%下落、素材が同8.9%下落、資本財が同8.2%下落となったが、ヘルスケア(同8.2%上昇)、一般消費財サービス(同2.6%上昇)、情報技術(同2.2%上昇)など5業種がプラス(11月21日時点)
- リスク資産投資に恐怖を感じて投資家が質への逃避的行動をとる場合はほぼ全セクターが下落するのが過去のパターンだが、今回はハイテクや景気敏感株から公益やヘルスケアといったディフェンシブに資金がシフトしており、全面安とはなっていない。今年の高値からの騰落率も同様の傾向となっている。また米債券相場や為替相場のボラティリティは目立って上昇しておらず、今回は米株式市場内だけで起きている調整と思われる。ダウ平均は2~3月のVIXショック時と同程度の調整になっているが、ハイテク売り・ディフェンシブ買いの投資資金のローテーションがいつ一巡するかがポイント
【投資家心理を悪化させる原油先物価格の急落】
- ニューヨークWTI原油先物価格は23日に1バレル=50.42ドルと10月上旬の高値からの下落率が34%に達した。原油安は中長期的には世界経済のメリットとなるが、短期的には大手石油株の下落や産油国の石油収入の減少を通じた将来の財政問題、さらに産油国の政府系ファンド(オイルマネ-)の資産解約売りなどマーケットの不安材料とされ、投資家心理に悪影響を与える。原油先物価格が下げ止まることが、金融市場の安定化には不可欠と言える
【今週の東京株式市場】
- 今週の日経平均は短期的なリバウンドは考えられるが週末のイベントを控えて神経質な展開が予想される。最大の焦点は11月30日のG20サミットにおける米中首脳会談にある。7月に始まった米中貿易戦争後としては初のトップ会談となるだけに世界の注目を集めそうだ。週後半に向けて様子見ムードが広がる可能性がある。市場はどちらかといえば楽観論よりも警戒モードが強く、これ以上の悪化がなければ、市場は一旦材料出尽くしで反発となる可能性もある
- 25日の臨時EU首脳会議の結果や、28日の英中銀による公表(ストレス結果やEU離脱の影響分析など)といった英国のEU離脱に関するイベントはユーロ相場に影響する可能性がある。27日にはクラリダ米FRB副議長、28日はパウエル米FRB議長の講演が予定されており、来年の米利上げ打ち止め時期などを巡り金利・為替市場の動きが注目される。日経平均の上値ポイントは日足基準線の22,000円処や200日移動平均線の22,300円程度、下値ポイントは11月21日安値21,243円や大台の21,000円などが意識される
11月22日の東京株式市場
主要株価指数
- 日経平均株価:21,646円 (前日比+139円)
- TOPIX:1,628ポイント(前日比+3)
相場のポイント
- 22日の東京株式市場は3日ぶりの反発、日経平均は前日比139円高の21,646円で取引を終えた。東証1部の銘柄騰落数は値上がりが1,450、値下がりが580と買いが優勢だった
- TOPIXの業種別33業種では水産や食料品、陸運、サービス、建設など内需関連がしっかり。なかでも10月の訪日外国人観光客数の回復を受けた資生堂、コーセー、ファンケルなど化粧品の上昇が目立った。半面、海運や鉄鋼、非鉄金属など景気敏感が小幅に売られた
- 日経平均の上昇寄与度はユニー・ファミマ、KDDI、資生堂、アステラス薬など。下落寄与度はファーストリテイ、ソフトバンク、豊通商など
主要な市場内指標
- NT倍率(日経平均÷TOPIX):13.29倍(前日13.31倍)
- 東証1部売買代金:20,810億円
- 東証1部年初来高値銘柄数14 /年初来安値銘柄数187
- 東証1部値上がり銘柄数1,450 /値下がり銘柄数580
- 東証1部騰落レシオ86.73(前日81.83)
- TOPIX33業種
上昇上位:水産農林、陸運、食料品、サービスなど
下落上位:鉱業、海運、鉄鋼、銀行など
- 日経平均寄与度(日経平均の変動幅に影響した値幅)
上昇寄与度:ユニー・ファミマ(+30円)、KDDI(+10円)、資生堂(+9円)など
下落寄与度:ファーストリテイ(‐24円)、ソフトバンクG(‐8円)、豊通商(‐3円)など
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