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2018年11月19日
【16日の米国株は上昇、ニューヨークダウ前日比123ドル高と続伸、ナスダックは反落】(11月19日配信)
マーケットコメント 2018年11月19日
【16日の米国株は上昇、ニューヨークダウ前日比123ドル高と続伸、ナスダックは反落】
11月16日(金)のニューヨーク金融市場
相場のポイント
- 16日の米株式市場でニューヨークダウは前日比123ドル高い25,413ドルで終えた。朝方、ダウは下落していたが米中の貿易摩擦への懸念の後退や米長期金利の低下を受けて、株式買いが優勢となった。安定的な配当が見込めて金利低下局面で投資妙味が増すとされる公益事業や不動産株などに買いが入りダウを押し上げた
- 画像処理半導体のエヌビディアが15日夕に発表した決算で18年11月~19年1月期の売上高が市場予想に反して減収見通しとなったことで同社株が急落。半導体需要減の観測から半導体株の一角にも売りが膨らみ、投資家心理に影を落とした。ナスダック総合指数は反落し、同11ポイント安の7247.873で終えた
- トランプ米大統領が16日午後に中国との貿易協議を巡って「中国は取引をしたがっている」と述べ、中国製品に追加関税を課さない可能性を示唆したと伝わった。米中の貿易摩擦が激化するとの警戒感が和らいだ
- ドル円相場は1ドル=112.80円台にややドル安・円高が進んだ。クラリダ米FRB副議長が米CNBCテレビのインタビューで、政策金利について「(景気を過熱も冷やしもしない)中立金利に近づいている」と述べた。9月に金融政策担当に就任したばかりの同氏は政策決定への影響力が強いとみられる。発言は利上げ加速に慎重と受け止められ、米債券市場で長期金利が低下したことがドル安に影響した。
参照サイト(エヌビディアのチャート)
米長期金利
- 10年国債利回り:3.06%(前日3.11%)、クラリダ米FRB副議長の発言で利上げ期待が後退、米債券相場は5日続伸(金利は低下)
ニューヨーク為替相場
- ドル円相場:1ドル=112.75-112.85円(前日113.56-113.57円)、米長期金利低下を受けドル安・円高の動き
米主要株価指数
- ニューヨークダウ30種平均:25,413ドル(前日比+123ドル)
- S&P500種株価指数:2,736ポイント(前日比+6)
- ナスダック総合株価指数:7,247ポイント(前日比-11)
- 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,220ポイント(前日1,234ポイント)
- 米VIX指数(恐怖指数):18.14(前日19.98)
S&P500種株価指数の主な上昇・下落業種
- 上昇:不動産、公益事業、エネルギーなど
- 下落:一般消費財、コミュニケーション、情報技術など
ニューヨークダウ30種平均への主な上昇寄与度・下落寄与度銘柄
(ダウ平均変動幅への影響)
- 上昇寄与:ユナイテッドヘルス・グループ、マクドナルド、スリーエムなど
- 下落寄与:ボーイング、ウォルマート、ビザなど
国際商品市況
- ニューヨークWTI原油先物1バレル=56.46ドル(前日比変わらず)
- ニューヨーク金先物1トロイオンス=1,223ドル(前日比+8ドル)
データを参照したサイト
https://nikkei225jp.com/nasdaq/
当面のマーケットのポイント
- 先週の東京株式市場は日経平均が200日移動平均線に押し戻されるように上値を抑えられ大きく反落、11月13日には21,500円割れとなり、その後は乱高下を繰り返した。米アップルのiPhoneの販売減速懸念や画像処理半導体のエヌビディアや半導体製造装置のアプライド・マテリアルズの決算懸念など主に米国初のニュースに振り回された格好だ
- 今週の日経平均は二番底を探る不安定な展開が予想される。週明けは先週末の海外市場で1ドル=112.70円台まで円高が進んだため、買いを見送るムードが広がろう。ただし週後半に向けて反発する可能性がある。第1に米企業の決算発表は一巡しつつある。投資家の注目点はミクロからマクロ経済に向かうだろう。今週のマクロ経済指標はそれほど注目される指標はない。第2に11月30日に予想される米中首脳会談に向けて米中の通商協議が進展する可能性があり、先週のショート(売り)ポジションの買戻しが進む可能性がある。第3に週末23日のブラックフライデー以降、米年末商戦動向に焦点が当たりやすくなり、堅調な米個人消費に投資家の関心が高まろう。売上増への期待が勝れば日本市場でも押し目買いが優勢となりそうだ
- 注目材料は21日の欧州委による「イタリア予算案」の見解公表。13日にイタリアがEUの求める19年予算案の修正を拒んだことから、21日にも欧州委がEU財務相理事会にイタリアへの制裁手続きの開始を勧告する可能性がある。イタリアの長期金利(16日は3.4%台で高止まりしている)に影響を与える可能性がある。また25日は臨時EU首脳会議が開催される予定。英EU離脱「協定案」が正式決定される見込み
- 日本では21日に10月の訪日外国人観光客数の発表がある。9月は西日本の台風や北海道地震の影響で前年同月比5.3%減の216万人と5年8ヵ月ぶりに減少に転じた。ただし、訪日客の消費は足元で回復基調になっている模様
参照したサイト(日経平均株価)
参照したサイト(イタリアの長期金利)
11月16日の東京株式市場
主要株価指数
- 日経平均株価:21,680円 (前日比-123円)
- TOPIX:1,629ポイント(前日比-9)
相場のポイント
- 16日の東京株式市場は続落、日経平均は前日比123円安い21,680円で取引を終えた
- 日経平均は前日比やや下落して取引開始後、米大手半導体関連企業の失望決算に加え、英国でEU離脱を巡り閣僚の辞任が相次ぐなど政治情勢の不安定感も投資家心理を冷やし、幅広い銘柄が売られた。東証1部の銘柄騰落は値上がりが607に対して値下がりが1442
- 米半導体製造装置アプライド・マテリアルズと画像処理半導体のエヌビディアの業績見通しが市場予想を下回り、ニューヨーク市場の時間外で株価が急落したことを受け、東エレク、アドバンテ、信越化、SUMCOといった半導体関連が大幅下落
- エヌビディアの製品供給先の1社とみられる任天堂が9%超の大幅下落で6日続落。売買代金は1,615億円と東証1部市場で第1位だった。「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を通じてエヌビディアに出資するソフトバンクGは2日続落で大幅安となり、1銘柄で日経平均を34円引き下げた
- 中国商務省がファナックなど日本の工作機械5社に対して、反不当廉売(ダンピング)調査を開始したと伝わりFA・工作機械が軒並み安。反面、ファーストリテイやユニー・ファミマ、テルモ、中外薬、エーザイといった小売やディフェンシブの一角は高い
主要な市場内指標
- NT倍率(日経平均÷TOPIX):13.31倍(前日13.30倍)
- 東証1部売買代金:25,593億円
- 東証1部年初来高値銘柄数15 /年初来安値銘柄数169
- 東証1部値上がり銘柄数607 /値下がり銘柄数1,442
- 東証1部騰落レシオ(25日移動平均):86.03(前日89.6)
- TOPIX33業種
上昇上位:鉱業、陸運、保険、水産農林など
下落上位:その他製品、パルプ紙、金属製品、電気機器など
- 日経平均寄与度(日経平均の変動幅に影響した値幅)
上昇寄与度:ファーストリテイ(+20円)、ユニー・ファミマ(+10円)、テルモ(+10円)など
下落寄与度:ソフトバンクG(‐34円)、東エレク(‐23円)、ダイキン(‐17円)など
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