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2018年10月23日
【ニューヨークダウは反落、ナスダックは4日ぶり反発】(10月23日配信)
マーケットコメント
2018年10月23日 【ニューヨークダウは反落、ナスダックは4日ぶり反発】
10月22日(月)のニューヨーク金融市場
相場のポイント
- 22日の米株式市場で主要3指数はまちまち、ニューヨークダウは前日比126ドル安の25,317ドルと反落して終えた。ナスダック総合はアマゾン・ドット・コムやインテルなど主力銘柄が買われ反発した
- ダウは中国株の反発を受け先週末と比べて上昇して取引がスタート、一時117ドル高まで買われた。その後は徐々に値を崩し下げに転じた。午後は最大208ドル安まで下落した
- 金融株や不動産、石油株に安いものが目立ち指数の重荷になった。注目度の高い主要企業の決算発表を控えて様子見ムードも強い
- 英国のEU離脱交渉への不透明感やイタリアの財政懸念、ドイツの経済の先行き懸念からユーロに対してドルが上昇、ドル円相場もややドル高・円安傾向となった
米長期金利
- 10年国債利回り:3.19%(前日3.19%)、前日と変わらず
ニューヨーク為替相場
- ドル円相場:1ドル=112.80‐90円(前日112.50-60円)、円安・ドル高傾向が強まった
米主要株価指数
- ニューヨークダウ30種平均:25,317ドル(前日比‐126ドル)
- S&P500種株価指数:2,755ポイント(前日比‐11)
- ナスダック総合株価指数:7,468ポイント(前日比+19)
- 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,234ポイント(前日1,225ポイント)
- 米VIX指数(恐怖指数):19.64(前日19.89)、依然として投資家の不安心理は高止まりしている
S&P500種株価指数の主な上昇・下落業種
- 上昇:情報技術、一般消費財のみ
- 下落:金融、不動産、エネルギーなど
ニューヨークダウ30種平均への主な上昇寄与度・下落寄与度銘柄
(ダウ平均変動幅への影響)
- 上昇寄与:スリーエム、アップル、インテルなど
- 下落寄与:ゴールドマン・サックス、ユナイテッドヘルス・グループ、キャタピラーなど
国際商品市況
- ニューヨークWTI原油先物
1バレル=69.17ドル(前日比‐0.05ドル)、ほぼ変わらず
- ニューヨーク金先物
1トロイオンス=1,224ドル(前日比‐4ドル)、ドル高を受けて安全資産の金には売り
データを参照したサイト
https://nikkei225jp.com/nasdaq/
金融市場に影響したと思われる材料
- トルコのエルドアン大統領は21日、サウジ記者殺害で23日に声明を出すと予告→現在の金融市場の最大の不透明材料だけに注目度が高い
- トランプ米大統領は22日、中間所得者向けに10%の減税検討と表明→市場では米中間選挙向けアピールと見切っている。実現する可能性は不透明とみている
- ドイツ連邦銀行は22日、第3四半期のドイツ経済が3年ぶりに成長率が横ばいになった可能性を警告、自動車会社の新たな排ガス試験で市場に混乱が生じたことが主因とした→ドイツはユーロ圏経済のエンジン役となっているため経済停滞はドイツの金利低下(相場上昇)材料で、同時に米国の長期金利上昇の抑制材料となる。為替市場ではユーロの売り材料。25日開催されるECB理事会に注目が集まる
- 9月の米シカゴ連銀全米活動指数は前月比0.1ポイント低下のプラス0.17(ゼロを上回っていれば景気が平均を上回っていることを示す)。4カ月連続でプラスだが、米経済成長の実体により即しているとされる3カ月平均はプラス0.21と前月より0.06ポイント低下→足元の米経済活動は堅調を示唆しているが、注視は必要
当面の東京株式市場のポイント
- 東京市場の懸念材料のひとつだった中国株が22日に急上昇し投資家心理は今後改善すると見込まれる。上海総合指数は22日、一時4.9%高と取引時間中としては2015年以来の上昇率となった。中国の習近平国家主席が先週末に民間部門への支援策を打ち出すことを表明したことや、中国本土の取引所が株式市場支援策を表明したこと、さらに中国当局が個人所得減税の原案を公表したことなどを好感したもの。一連の支援策の表明でひとまず中国株と人民元の下値不安が和らいだと思われる
- サウジ疑惑やトランプ米大統領の発言による地政学的リスクが浮上している割にドル円相場は堅調に推移している印象。今週末の7-9月期米GDP成長率を控えていることや、ユーロ圏の政治・経済に不透明要因が多いことが背景か。東京株式市場の最大のサポート材料
- 日経平均の水準は25日移動平均線(23,382円)を3.2%下回り、200日移動平均線(22,498円)を0.5%上回っている。今週は日米ハイテク企業の決算の確認と、週後半は米7-9月期GDPに注目が集まっており、為替相場をにらみながら神経質な動きが想定される
- 安倍首相は2019年10月の消費税増税を実施する方針を発表したが、一つだけ見送る方法があった。2019年夏の参議院選にあわせて衆院を解散して信を問うダブル選挙だという(23日付け、大機小機より)
10月22日の東京株式市場
主要株価指数
- 日経平均株価:22,614円 (前日比+82円)
- TOPIX:1,695ポイント(前日比+2.4)
相場のポイント
- 22日の東京株式市場は反発、日経平均は前日比82円高の22,614円で取引を終えた
- トランプ米大統領が当然、中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄を表明したことによる地政学リスクの高まりや、上海株の動向を警戒して日経平均は前日比157円安で寄り付いた。その後に下げ幅を一時250円超まで広げたが、売り一巡後は割安感からの買いが入り値を戻した
- 中国当局が国内株式の支援策や景気刺激策を表明したことから下値不安が和らぎ、上海総合指数が4%を超える大幅上昇になったことで、日経平均は一時上げ幅を140円に広げる場面があった。上海株高を受け為替市場では円安・ドル高が進み、歩調を合わせて株価指数先物に買いが入った
- 日銀が19日に続きインデックス型ETFを703億円買い入れたことも午後の株高を後押し
- 中国経済への先行き懸念の後退でコーセー、花王、資生堂など化粧品といったインバウンド関連が買われた。安川電、ファナックなどFA関連も強い動き。明治HD、キッコーマンなど食料品も高い
- ハイテク系はソニー、TDKは下落した。サウジ疑惑が株価に影響したソフトバンクGは日経平均の下落寄与度1位。エーザイ、アステラス薬など医薬品の一角が安い
主要な市場内指標
- NT倍率(日経平均÷TOPIX):13.34倍(前日13.31倍)
- 東証1部売買代金:2兆1,009億円と商いはかなり薄い。投資家が様子見姿勢を強めている
- 東証1部年初来高値銘柄数13 /年初来安値銘柄数173
- 東証1部値上がり銘柄数1,216 /値下がり銘柄数792
- 東証1部騰落レシオ:107.14(前日101.52 )
- TOPIX33業種
上昇上位:鉱業、食料品、水産農林など23業種
下落上位:石油石炭、医薬品、精密など10業種
- 日経平均寄与度(日経平均の変動幅に影響した値幅)
上昇寄与度:ファーストリテイ(+19円)、東エレク(+12円)、資生堂(+11円)など
下落寄与度:ソフトバンクG(‐10円)、エーザイ(‐7円)、アステラス薬(‐5円)など
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