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マーケットコメント
2018年10月22日 【19日のニューヨークダウは3日ぶり反発、P&Gなどがけん引】
10月19日(金)のニューヨーク金融市場
相場のポイント
- 19日の米株式市場で主要指数はまちまちの展開。ニューヨークダウは3日ぶりに反発、前日比64ドル高の25,444ドル。S&P500種とナスダック総合は続落となった。ダウは前日の300ドルを超す下落で短期的な反発を狙った買いや、一部銘柄の好調な企業業績を好感した買いが入った
- 中国の上海総合指数が上昇した流れを受けて主要3指数とも堅調に取引が始まった。ダウは一時前日比230ドル近く値上がりする場面があった。その後は週末のポジション調整などの売りが強まった
- 7-9月期の利益が市場予想を上回ったP&Gが8%を超える上昇、前日に決算を発表したアメリカン・エキスプレスも3%を超す値上がりで、2銘柄でダウを約74ドル引き上げた。半面、キャタピラー、ボーイングなど中国関連銘柄がダウを押し下げた
- ハイテク株中心のナスダック総合は小幅に続落、来週以降に決算発表を控えポジション調整売りが出た模様
米長期金利
- 10年国債利回り:3.19%(前日3.18%)、小幅に上昇した
ニューヨーク為替相場
- ドル円相場:1ドル=112.50‐60円(前日112.16‐17円)、ややドル高円安の動き
米主要株価指数
- ニューヨークダウ30種平均:25,444ドル(前日比+64ドル)
- S&P500種株価指数:2,767ポイント(前日比‐1.0)
- ナスダック総合株価指数:7,449ポイント(前日比‐36)
- 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,225ポイント(前日1,245ポイント)と3日続落
- 米VIX指数(恐怖指数):19.89(前日20.06)
S&P500種株価指数の主な上昇・下落業種
- 上昇:生活必需品、公益、不動産など
- 下落:ヘルスケア、一般消費財、エネルギーなど
ニューヨークダウ30種平均への主な上昇寄与度・下落寄与度銘柄
(ダウ平均変動幅への影響)
- 上昇寄与:P&G、アメリカン・エキスプレス、アップルなど
- 下落寄与:キャタピラー、ボーイング、ユナイテッド・ヘルス・グループなど
国際商品市況
- ニューヨークWTI原油先物
1バレル=69.12ドル(前日比+0.47ドル)
- ニューヨーク金先物
1トロイオンス=1,228ドル(前日比‐1.40ドル)
データを参照したサイト
https://nikkei225jp.com/nasdaq/
当面の東京株式市場のポイント
- 東京市場は9月に日経平均株価が急上昇した後に、10月は一転して急落となり、先週は下値を探りながら落ち着きどころを探す展開となった
- 投資家の不安心理を示す米VIX指数は19日時点で19.9と高止まりしている。同様に日経平均の株価変動率を示す日経平均VIも22.36と20を超えている。日米株価は依然として不安定な動きが想定される。しかし、当面のリスク材料だった中国の経済成長率が発表となり、懸念材料はひとつ出尽くした
- 日経平均の当面の想定レンジは、上値が5月、6月、8月の高値トライとなった23,100円前後、下値は9月安値の22,172円程度と考えられる。予想PER(19日は13.0倍)から見て22,000円台前半では買いタイミングを狙う投資家は多いだろう。日米企業の決算発表が進み堅調な企業実体が明らかになれば市場の大きな安心材料となる
- 今週は26日に米国の7-9月期GDP成長率の発表がある。市場予想は前期比年率+3.3~3.5%程度がコンセンサス。4~6月期の同+4.2%から低下するものの、同3%台半ばの成長率はかなり高い。米長期金利の上昇は足元で一服しているが、市場予想を上回る強い指標となれば再び動意づく可能性もあり、週末にかけてポジション調整の売り材料となるかもしれない
- 24日は次の米FOMCのたたき台となるベージュブック(米地区連銀経済報告書)の発表と、9月の米新築住宅販売件数などが注目指標。要人発言では24日の米FRBブレイナード理事の講演、25日の米FRBのクラリダFRB副議長の講演などが注目される
- 欧州では25日にECB理事会、26日はドラギECB総裁の基調講演、同日に10-12月期ECB専門家予測調査(SPF)の公表がある
- 23日のサウジ投資会議「未来投資イニシアチブ〈FII〉(~25日、「リヤド」)は、金融市場が現在最も注目するサウジアラビアが主催するイベント。いわゆる「サウジ疑惑」は展開次第では米国との外交問題から原油価格に影響する可能性があるだけに当面のリスク材料。また日経平均寄与度が高いソフトバンクGが運用する巨額投資ファンドには、一部サウジの資金も入っており同社株の不透明材料となっている。市場の波乱材料となるか、逆に不安心理の収束材料となるか
- 25日はトルコ中銀の金融政策決定会合がある。前回9月の会合ではトルコの金融市場が大混乱するなかで、政策金利を24.0%へ引き上げた。その後のトルコ金融市場はやや落ち着きを取り戻しつつある。また米牧師の開放で米国との関係改善を図るなど巧妙な対米外交を展開している。サウジ記者殺害事件を巡る動きは引き続き不透明だが、通貨リラは落ち着きを保っている。今回は利上げ見送りか
- 今週、株価に直接影響するのは日米企業の決算発表。先週はネットフリックスの好決算が株価に影響を与えたが、今週はインテル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コムなどの決算が注目される。日本は日電産が前四半期に続いて上方修正を発表するか、日立建機の中国事業の動向、信越化学のシリコンウェハの需要・価格動向などが注目される
(コメント内の日程は予定であり変更される可能性があります)
〇米企業決算・企業関連イベント(主な企業)
22日:ハリバートン、エヌビディア主催CPUテクノロジーイベント「GTC2018」(~24日)、国際フィンテックカンファレンス(21-24日) など
23日:スリーエム、キャタピラー、バイオジェンなど
24日:マイクロソフト、ビザ、ボーイング、(欧州)バークレイズ、ドイツ銀行など
25日:インテル、GE、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、メルク、ツイッター、レイセオン、(欧州)ダイムラー、マイクロソフト主催IoTイベントなど
26日:グッド・イヤ・タイヤ&ラバー、(欧州)RBSグループ、アップルiPhone新モデル「XR(テン・アール)」発売など
(予定であり変更される可能性があります)
〇日本企業決算(主な企業)
23日:日本電産、シマノなど
24日:花王、中外薬など
25日:NRI、キヤノンなど
26日:信越化、日立、富士通、オリックス、中部電、関西電など
(予定であり変更される可能性があります)
10月19日の東京株式市場
主要株価指数
- 日経平均株価:22,532円 (前日比‐126円)
- TOPIX:1,692ポイント(前日比‐11)
相場のポイント
- 19日の東京株式市場は2日続落、日経平均は前日比126円安の22,532円で取引を終えた。前日のニューヨーク株式の大幅下落を受け日経平均は前日比316円安で寄り付いた。中国の経済指標発表を前に下げ幅は午前9時46分には一時445円安まで広げたが、その後は下げ幅を縮小した
- 日銀はインデックス型ETFを703億円買い入れた。15日以来の買い入れ
- 中国の7-9月期実質成長率が市場予想を下回ったことでコマツ、ダイフク、キーエンス、ダイキンなど機械・FA関連や海運株に安い銘柄が目立った
- サウジ疑惑により巨額投資ファンドの先行きが懸念されソフトバンクGが日経平均銘柄の最大の下落寄与となった。任天堂、ソニー、トヨタといった主力銘柄も下落
- 反面、中部電、東ガスなど電気ガスセクターがしっかり
主要な市場内指標
- NT倍率(日経平均÷TOPIX):13.31倍(前日13.29倍)
- 東証1部売買代金:2兆3,989億円
- 東証1部年初来高値銘柄数8/年初来安値銘柄数167
- 東証1部値上がり銘柄数616/値下がり銘柄数1,409
- 東証1部騰落レシオ:101.52(前日105.21)
- TOPIX33業種
上昇上位:保険、電気ガス、医薬品など
下落上位:海運、その他製品、その他金融など
- 日経平均寄与度(日経平均の変動幅に影響した値幅)
上昇寄与度:エーザイ(+9円)、東エレク(+8円)、ユニー・ファミマ(+5円)など
下落寄与度:ソフトバンクG(‐13円)、ダイキン(‐11円)、TDK(‐7円)など
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