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マーケットコメント
2018年10月19日 【ニューヨーク市場は大幅続落、ハイテク株や中国関連銘柄が大幅安】
10月18日(木)のニューヨーク金融市場
相場のポイント
- 18日の米株式市場で主要3指数は大幅に続落、ニューヨークダウは前日比327ドル安の25,379ドルで終えた。S&P500種株価指数は同40ポイント安の2,768と続落
- 中国の人民元安や上海株価指数の下落で中国経済の先行き懸念が強まり、ボーイングやキャタピラーなど中国での売上比率の高い銘柄が下落。ダウの下落幅は一時前日比470ドルを超えた
- 朝方、米長期金利が一時3.21%台まで上昇、PERが相対的に高いハイテク株の売り材料となった。ネット関連の下落に加えて、台湾の半導体関連大手が売上高を下方修正したことを受け、米国の半導体関連も大幅に下げ、ナスダック総合は前日比2%を超す下落。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は前日比2.5%の下落となった
- アップルは前日比2%超、アルファベットは同2%超、アマゾン・ドット・コムが同3%超の下落
- S&P500種指数の業種別で上昇したのは公益と不動産のみ
- 投資家の不安心理を示す米VIX指数は再び20を上回って推移しており、株式市場は引き続き大きな値動きとなった
米長期金利
- 10年国債利回り:3.18%(前日3.20%)、一時3.2%台まで上昇したが、イタリアの財政リスクや米株安を受け次第に買いが優勢となった
ニューヨーク為替相場
- ドル円相場:1ドル=112.16~112.17円(前日112.65円)、やや円高
米主要株価指数
- ニューヨークダウ30種平均:25,379ドル(前日比:‐327ドル)
- S&P500種株価指数:2,768ポイント(前日比‐40)
- ナスダック総合株価指数:7,485ポイント(前日比: ‐157)
- 米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数):1,245ポイント(前日1,277ポイント)
- 米VIX指数(恐怖指数):20.06(前日17.40)
S&P500種株価指数の主な上昇・下落業種
- 上昇:公益、不動産のみ
- 下落:一般消費財、情報技術、コミュニケーションなど
ニューヨークダウ30種平均への主な上昇寄与度・下落寄与度銘柄
(ダウ平均変動幅への影響)
- 上昇寄与:ベライゾン、エクソンモービル、メルクなど
- 下落寄与:ボーイング、キャタピラー、ホームデポなど
国際商品市況
- ニューヨークWTI原油先物
1バレル=68.65ドル(前日比‐1.1ドル)
- ニューヨーク金先物
1トロイオンス=1,230ドル(前日比+2.7ドル)
データを参照したサイト
https://nikkei225jp.com/nasdaq/
金融市場に影響したと思われる材料
- イタリアの財政リスク
イタリアの来年度予算案を巡り、欧州委員会がEU財政規律の重大違反と書簡で通達。こうした書簡の送付は欧州委員会がイタリアの予算を却下する準備段階となる→イタリアの財政リスクが高まり、同国の長期金利上昇要因、ユーロ売り要因とされた
【イタリア財政懸念関連のイベント】
10月15日まで:欧州委員会へイタリアが予算案を提出
同 22日まで:欧州委員会がイタリア予算案に関するイニシャルレビュー発表予定
同 26日まで:格付け会社S&Pがイタリアの格付け評価発表予定(現在:Baa-安定的)
同 31日まで:格付け会社ムーディーズがイタリアの格付け評価を発表予定(現在:Baa2-ネガティブ
11月30日まで:欧州委員会がイタリア予算案への意見表明
12月31日まで:イタリア議会で予算採決
出所:各種資料より作成
(注意:現時点の予定であり、変更される可能性があります)
- 米景気指標は堅調
米10月のフィラデルフィア地区連銀業況指数は22.2、前月の22.9から0.7ポイントの低下となった。市場予想(20.0)はやや上回った
米9月の景気先行指標総合指数は前月比0.5%上昇と前回(0.4%上昇)を上回った。市場予想(0.5%上昇)に一致
- 半導体受託生産の世界最大手が売上見通しを下方修正
半導体受託生産の世界最大手、台湾TSMCは18年12月期の売上高見通しを従来予想の前期比10%増から6%増に引き下げた。仮想通貨向け半導体の価格下落を主因としてあげた→米半導体関連などハイテク株の売り材料視された
当面の東京株式市場のポイント
- ニューヨーク株式市場の下落の影響を受け、東京市場は大幅続落の見通し
- 今週の日経平均は月曜日以降、423円安、277円高、291円高、182円安と荒っぽい値動きの繰り返し。18日の米VIX指数が再び20超となっており当面乱高下を覚悟すべき。不安定な市場の値動きに振り落とされないようにシートベルトを締め直すこと
- しかし、東京市場は予想PER(株価収益率)が13倍前後と割安圏にあり、一時的に売り込まれても買いが入りやすいと思われる。ちなみに米S&P500種の予想PERも15.9倍台(11日時点)と年初と比べれば割高感は是正されている
- 本日下落した場合は午後に日銀のインデックス型ETFの買いが予想される。仮に実施されれば15日(703億円の買い入れ)以来となる
- 10月第2週(9~12日)に海外投資家は株価指数先物(日経平均、TOPIX、ミニを含む)で1兆4,887億円の大幅売り越しとなった。現物株は3,290億円の売り越し。現物+先物合計は1兆8,000億円超の売り越しで、今年2月の第1週の売り越しを上回る規模となった。米国の長期金利上昇を受けたニューヨーク市場の株価急落で、ヘッジファンドなど短期筋が日本株のリスクを維持できなくなったもの。結果的に9月の先物市場で買い越し分をほとんど売り越したかたち。一方、中長期投資家が大半の現物株の売り越しは、過去3週間の買い越し規と比べれば限定的と思われる
参照したサイト(JPX日本取引所グループ、株価指数先物)
- 10月第2週に個人投資家は現物株投資で6,023億円の大幅買い越し。買い越し規模は今年2月第1週以来の大きさで、割安感の強まった銘柄に買いが入った
参照したサイト(JPX日本取引所グループ、現物取引、2市場の1、2部等、50社)
10月18日の東京株式市場
主要株価指数
- 日経平均株価:22,658円 (前日比‐182円)
- TOPIX:1,704ポイント(前日比‐9)
相場のポイント
- 16日の東京株式市場は3日ぶりの反落。日経平均は前日比182円安の22,658円で本日の取引を終えた。
- 前日のニューヨーク株式市場で主要3指数が反落、シカゴの日経平均先物は小幅の下落で帰ってきたが、為替がやや円安でスタートしたことで、日経平均は前日比30円高で取引を開始した。その後、上海総合指数が年初来安値更新するなかで中国関連銘柄に売りが広がり、日経平均は一時下げ幅が200円を超えるなど引けにかけて下げ幅を広げた。結局、上海総合は前日比2.9%安と2014年以来、3年11ヵ月ぶりの安値を付けた。19日の午前11時に中国の7-9月期GDPや鉱工業生産指数など重要な経済指標の発表を控えるが、指標の悪化を警戒して関連銘柄に処分売りや先回りの空売りなどが出た模様
- ファナックや安川電など中国向けが多いFA関連の下落が目立ったほか、裁定解消売りの影響かファーストリテイ、ソフトバンクなど値がさ株も大きく下落した。ニューヨーク市場で原油先物が下落したことで石油石炭、鉱業など資源関連が業種別下落の上位となった
- 一方、東電HD、JR東日本、KDDIといった公益株や三井不など内需関連がしっかりで、ユニー・ファミマ、味の素など内需・ディフェンシブ株の一角が買われた
- 免震・制振装置の検査データの改ざん問題で前日にストップ安となったKYBは前日比11%の大幅安
主要な市場内指標
- NT倍率(日経平均÷TOPIX):13.29倍(前日13.33倍)
- 東証1部売買代金:2兆2,700億円
- 東証1部年初来高値銘柄数/年初来安値銘柄数:14/26
- 東証1部値上がり銘柄数/値下がり銘柄数:709/1,313
- 東証1部騰落レシオ:105.21(前日109.41 )
- TOPIX33業種
上昇上位:パルプ紙、電気ガス、不動産など10業種
下落上位:石油石炭、鉱業、化学などなど23業種
- 日経平均寄与度(日経平均の変動幅に影響した値幅)
上昇寄与度:ユニー・ファミマ(+11円)、KDDI(+3円)、富士フイルム(+3円)など
下落寄与度:ファナック(-30円)、ファーストリテイ(-29円)、ソフトバンクG(-15円)など
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