アナリスト・トレーニング

お気軽にお問い合わせください!

TEL 03-3518-9611

受付:土日祝祭日以外の9:00~18:00まで

会員ニックネーム:ゲスト  状態:ログアウト
会員種別:不明  ログインする
会員ID:ゲスト  状態:ログアウト 
会員種別:不明  ログインする 

imasara証券・金融用語

HOMEドキュメント >imasara証券・金融用語 >『5G』

imasara証券・金融用語

いまさら聞けない証券・金融用語
ネットの受け売りじゃ本当の意味は解らない
今日も今更くんは、やさしい先輩に真っ向質問です!

2019年4月3日
『5G』

今更くんが、事務所に戻って先輩を見つけると嬉しそうに駆け寄ってきた。

 

(今更くん)

先輩!アカデミー賞の主演男優賞に『ボヘミアン・ラプソディ』のフレディ・マーキュリー役のラミ・マレックが決まりましたよ!

(先輩)

ぼくもネットのニュースを見たよ。『ボヘミアン・ラプソディ』は他にも編集賞などにも選ばれているね。

(今更くん)

作品賞もいけると思っていましたけど、残念です。
あのラストの大観衆を前に演奏するシーンは凄い迫力で鳥肌立ちましたもの。

(先輩)

そうだったねぇ、ぼくも最後はウルウルしたよ。

あのステージは、『ライブ・エイド』と呼ばれアフリカの難民や飢餓などを救うために1985年に何万人もの観客をロンドン郊外の『ウェンブリー・スタジアム』に集め行われた壮大なチャリティイベントだった。

「Queen」もそうだけど多くの著名なアーティストが登場したんだ。アメリカ会場では、エリック・クラプトンやビーチボーイズなどのきら星のような豪華アーティストが次々と出演して世界中にテレビ放映されたよ。

(今更くん)

そうなんですか、でも、あの現地でないと、なかなか伝わらないですよね、やっぱ会場でリアルタイムに聞かないと。

(先輩)

うん、今はそうだね。

(今更くん)

え?「今は」って、これからだってそうでしょう?

(先輩)

いや、これからは少し変わるかもしれないよ。

(今更くん)

そうか、これから大画面の4Kや8K放送でテレビ放送も臨場感が増すってということですね?

(先輩)

うん、確かに高細度な映像は魅力だけど近い将来ネット経由のライブ配信で、まるでその場にいるかのような本物に近い臨場感を味わえるようになるんだ。

(今更くん)

え?ネット経由ですか?

(先輩)

3D映像でバーチャル体験できるゴーグルみたいなのあるだろう?

あんなゴツいのではなく、一見普通のメガネみたいなものを屋外で持ち歩いて、ポケットからひょいとかけて好きな時に好きな場所でスポーツ中継をその場にいるかのように見られるようになるかもしれない。

(今更くん)

ドラえもんの「なんとかメガネ」みたいなものですか?

でも直ぐには無理でしょう?

(先輩)

いや、そんな時代が早ければ今年中に一部実現するかもしれないよ。

(今更くん)

今年中ですか!ドラえもんの道具はマンガの世界だけだと思っていましたけど、本当にできたら凄いですね。

(先輩)

いろいろな分野で、これまでは無かった凄い技術が開発されて実用化されようとしているだろ?

(今更くん)

うーん、車の自動運転とか。

(先輩)

そうだね、AIの技術と組み合わせて何千キロも先の現場のロボット重機を障害のある方が自宅で操作したり、どれもこれも、既に実現に近い形で何年も前に実用化の目処がついていたんだ。

(今更くん)

じゃ、なんで直ぐ実現しなかったんですか?

(先輩)

一番のネックだったのが、回線のスピードや基地局の接続数の上限などによる遅延や接続の不安定さだね。
命に関わることや大きな事故を起こしかねない状態では実用化は難しい。
今更君、『5G』って聞いたことあるだろう?

(今更くん)

はい、聞いたことがあります。
スマホとかのキャリアの通信方式で通信スピードが格段に早くなるってことですよね。

(先輩)

それだけじゃ無いよ、今後本格的なIoT時代を前に必要となる接続デバイス数の大幅な不足が予想されている。
それに備えて既存の基地局を有効利用しながら、新たに利用出来る電波の周波数帯を増したり、新しい技術を導入したりして、個々のデバイスが余裕のある通信ができるような技術とインフラ整備が進んでいる。

速度でいうとこれまでの4G(LTE)の100倍くらいのスピードがでるような論理値になると言われている。

(今更くん)

ひ、百倍ですか?!

(先輩)

これまでの移動体通信の周波数は3.6GHz(3.6ギガヘルツ)以下の周波数帯が使われていたのだけど、新たに3.6GHz~6GHz未満と28GHz帯が追加される。電波は周波数が高くなればなるほど情報量を増やす事ができるんだ。

(今更くん)

WiFiなんかも電波の周波数が何種類かあって、周波数が高いと真っ直ぐ飛んでしまい障害物にぶつかって電波が回り込めなかったり、遠くまで電波が届かない、というのは聞いた事がありますけど、それって問題にならないんですか?

(先輩)

うん、『5G』方式の目玉の一つになるんだけど、『5G』では(一部LTEでも実現済み)、移動体通信では本来デメリットであるはずの高い周波数の直進性を利用して、まるでビーム光線のようにターゲットのデバイスと一気に情報のやりとりをする『ビーム・フォーミング』という仕組みを採用している。

(今更くん)

そうか、状況に応じて回線スピードを必要とするモノに向かって集中的に通信をするんですね。

(先輩)

これが、5Gとしての主な3つの達成目標だよ。

(資料を見せる)

・「超高速モバイル通信」

・「大量・多地点通信」

・「超高信頼の低遅延通信」

(今更くん)

1キロ㎡で100万デバイスって(驚)

(先輩)

現在の基準の10倍以上のデバイスが接続可能となる計算だね。

最大通信速度は、下りで20Gbps、上りが10Gbps。

論理値だけど、ブルーレイ品質の動画で1ディスク25GB、視聴時間で約180分として、数秒でダウンロードができる速度だよ。

(今更くん)

「超高信頼の低遅延通信」って何ですか?

(先輩)

何らかの理由で起きるデータの到達時間の遅延を許容範囲で0.5m秒=0.005秒とすること。

(今更くん)

凄い、殆ど遅延していない。

(先輩)

実はこれって結構大事なところで、さっきの遠隔操作で重機の遠隔操作を行う場合、自動運転のロボット重機は決められた挙動や状況を瞬時に判断し、危険を予知して回避動作などをするけど、想定外の状況などは、人間の判断が必要な場合があって、通信の遅延はシステム全体の信頼性にも関わるスペックなんだ。

(今更くん)

本当に生活がガラッと変わるような気がしてきました。
でも、自分がついて行けるか心配にもなります。

(先輩)

便利さの意味をはき違えさえしなければ、大丈夫だよ。
人が真に必要になるものは無理なく自然と浸透するものさ。

それに今年中といったけど、スマホなどの個人デバイスの5Gへの対応はもう少し時間がかかるから実感としては、来年以降だね。
それでも、これまで難しいと思われてきた事が、まるでドラえもんの「道具」を使うようにドンドン実現するかもしれない。

(今更くん)

ボクは『5G』に『We w’ll Rock you』になりました。

(先輩)

僕も『レディオ・ガガ』な気分だね、『ガガ』って意味は、理由もなく楽しいとか好きという子ども言葉らしい。

(今更くん)

先輩、とボクは気が合いますよね、これからも『手を取り合って』いきましょう!

(先輩)

君と『地獄へ道連れ』は、ゴメンだよ(苦笑)

(今更くん)

先輩、どうしてですか?ちょっとまってくださーい。

 


<ちょっと解説>

<移動体通信の世代>

移動体、つまり通信場所を固定しない音声やデータの通信機器を一般に指し、現在の携帯電話やスマホなどの通信方式などの世代を表します。
通信技術方式は、各種サービスや端末デバイスシリーズ名と一致しない場合があります。(以下は、主にNTT、NTTドコモのサービス、製品をベース)

  • 『1G』 1980年頃~90年代 アナログ通信通信方式で主に音声での移動通信が主眼
    一般では自動車電話やショルダーフォンなどの運びは可能であったが、重量や料金などの問題で利用台数は限定的だった。後期にはアナログ方式の『mova』などの軽量化が図られた製品が多く発売され、利用台数の増加キッカケとなった。
  • 『2G』 90年代中頃、通信のデジタル化と疑似インターネットサービスが大きな目玉
    デジタル方式の「mova」などがあり、「imode」サービスなどのメールサービスやサイトの閲覧、音楽や映像などのデータ通信が可能となり、爆発的な人気となった。この頃から単なる電話機からマルチメディア端末という色合いが表れ始めた。
    また、『3G』のコア技術を用いて通信の高速化を図った「cdmaOne」という製品も現れ、『2.5G』などとも呼ばれた。
  • 『3G』 2000年頃、メリットは通信の高速化と初めての国際統一基準
    「mova」に代わり「FAOMA」端末に切り替わり、それまで通信方式の違いから、ヨーロッパや日本を中心としたアジア圏、北米など地域に別々だった基準が統一され、海外で携帯電話を利用する場合でも1台で可能にした。
    国内の基地局が充実した回線方式で、『4G』や『LTE』をカバーしない地域でも『3G』の基地局に自動的に切り替わるなどの長く利用された方式だった。
  • 『LTE』 「Long Term Evolution」の略で次世代の『4G』の技術を先取りした通信方式。
  • 『4G』 高速、大容量データで真のマルチメディアを実現するスマートフォンを支える技術
    3.9世代とよばれる前記の『LTE』も現在では、総称として『4G』と呼ばれる事が多い。
    インターネットとシームレスな接続を可能とし、タブレット等とともにインターネットブラウジングとしてのPCを追いやり、若い世代の固定電話離れを進めた。
  • 『5G』 様々な技術との組み合わせにより、生活の隅々まで浸透し安定的かつ多くのデバイスを桁違いな高速性で接続する可能性
    本編にもあるようにAI技術などとの組み合わせで医療分野、運転システム、産業システムなどが驚く程身近で便利なライフスタイルの実現の可能性がある技術で、他の先進的な技術はこのクォリティとスピードの実現を待っていたともいえる。
    一方で、この『5G』の基幹的なイニシアチブを握る事が今後の世界的なリーディングとなることから、国家間の紛争ともいえる事件も発生している。

このページの先頭へ