（今更くん）

先輩！「ダウ工業株30種平均」って何ですか？

（先輩）

（思わずズッコケて）おい、そんなベタな事シンプルに聞く？

（今更くん）

一応、スマホとかで調べたのですが、なんか良く判らなくて（汗）

（先輩）

「ダウ工業株30種平均」は、元々「ニューヨーク証券取引所」から選ばれた各分野を代表する上場企業の株価平均で「S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス」という団体が算出している世界的に影響力のある証券指数なんだ。
「ニューヨークダウ」と呼ばれることもあるね。
今は、NASDAQから選ばれた銘柄もあるんだ。（採用銘柄の一覧をみせる）

（今更くん）

すっごい会社ばっかですね！

（採用銘柄一覧）

「アップル」とか「マイクロソフト」とか有名企業が目白押しだ。
ところで、先輩、さっき「今は」とか言っていましたけど、採用銘柄の入れ替えとかも頻繁にあるんですか？

（先輩）

頻繁には無いけど、米国を代表する株価指数だから時代を反映して個別銘柄だけじゃなくて分野そのものが入れ替わることもあるよ。
2009年には、三大自動車の最後の牙城だった「GM（ゼネラルモータース）」が除外されて、とうとう米国の産業をリードしてきた自動車産業が指標から消えたんだ。（遠い目）
最近では、今年（2018年6月）に「GE（ゼネラル・エレクトリック）」が「ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス」と入れ替わったね。

（今更くん）

ああ、「GE」とか聞いたことあります！「ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス」は何の会社ですか？

（先輩）

「ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス」は、世界一のドラッグストアのグループだよ。ドラッグストアというと安売りのイメージがあるけど、「ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス」は、調剤とかに軸足をおいて一般のドラッグストアと一線を画している。やはり、世界的な健康志向のブームを象徴しているね。

（今更くん）

いつ頃から「ニューヨークダウ」の計算は始まったんですか？

（先輩）

1884年ころに「ダウ・ジョーンズ社」から公表されていて、当初は十数種程度の採用数だった。因みに「GE」が除外されたことによって「ニューヨークダウ」の計算を始めたころにあった採用銘柄が全て消えたんだ。（再び遠い目）
130年余りの米国の産業界の変遷を表しているともいえるね。

（今更くん）

先輩、なに黄昏れているんですか（笑）先輩とボクもいつか採用の入れ替えあるかもです！

（先輩）

それだけは130年たってもぜぇぇぇぇたい無いよ（大笑い）ほら、会議はじまるよ！

（今更くん）

待ってください、軽いジョークですよセンパーイ。

（了）

＜ちょっと解説＞

米国では産業界の活発な新陳代謝を捉えることが、株価の長期的な上昇の原動力の一つだろう。
現在のダウ構成銘柄30社のうち実に以下の11銘柄が2000年以降のたった14年間に入れ替え採用されている。

2018年6月：ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス

2015年3月：アップル

2013年9月：ビザ、ナイキ、ゴールドマン・サックス

2012年9月：ユナイテッド・ルス・グループ

2009年6月：シスコ・ステムズ、トラベラーズ

2008年2月：シェブロン

2004年4月：ファイザー、ベライゾン

米国の代表的な株価指数の構成銘柄を時代の変化とともに見直し、産業界を代表する銘柄に入れ替えることで、米株式市場の成長の果実を米経済と米国民が得ることができると云えるだろう。
それは大げさな表現ではなく米国のGDPに占める個人消費の大きさ、そして個人資産に占める株式などのリスク資産の割合などが、日本のそれと際だって違うことからも分かる。
（詳しくは「ダウ工業株30種平均」（その２）で）

＜「ダウ工業株30種平均」採用銘柄／2018年10月時点＞