アナリスト・トレーニング

お気軽にお問い合わせください!

TEL 03-3518-9611

受付:土日祝祭日以外の9:00~18:00まで

会員ニックネーム:ゲスト  状態:ログアウト
会員種別:不明  ログインする
会員ID:ゲスト  状態:ログアウト 
会員種別:不明  ログインする 

マーケット見通とポイント

HOMEドキュメント >マーケット見通とポイント >国政選挙での圧勝と良好な日米関係で高市内閣は長期政権へ。

マーケット見通とポイント

2026年3月31日
国政選挙での圧勝と良好な日米関係で高市内閣は長期政権へ。

日本では内閣が短命に終わり、首相が頻繁に交代してきた。たとえば、1990年以降、国政選挙が行われたのは25回にのぼり、国政選挙が行われなかった年(12回)の方が少ない。これは政局が不安定なことが多いことを示している。過去を振り返ると、2つの条件、すなわち①国民の広範な支持のもとでの国政選挙で圧勝し、②良好な日米関係が重なるときに長期政権が生まれやすい。具体的には、第2次以降の安倍晋三内閣(2012年12月から20年9月までの7年9カ月)、中曽根康弘内閣(1982年11月から87年11月までの5年)、小泉純一郎内閣(2001年4月から06年9月までの5年5カ月)などが挙げられる。

高市内閣は2月の衆院選における与党自民党の歴史的圧勝で、1つ目の条件が満たされた。自民党は、単独政党として戦後初となる衆議院の議席全体の3分の2を上回る316議席を獲得した。参議院での与党過半数割れの状況は変わらないが、法案については、参議院が否決しても、衆議院での3分の2以上の賛成で再可決できる。高市首相の政治基盤が強化され、与党内での首相の影響力は高まろう。

2つ目の良好な日米関係についても、安倍晋三元首相の後継を自負する高市首相とトランプ米大統領は良好な関係を構築する可能性が高い。トランプ氏は衆院選の前に高市氏と自民党、日本維新の会による連立政権に対し「米大統領として完全かつ全面的に支持する」と表明した。米国の大統領が日本の国政選挙の直前に、支持政党を鮮明にするのは異例だ。そして選挙後の2月9日、自民党が大勝したのを受けて、SNSに「圧倒的な勝利を心から祝福する」と高市早苗首相に祝意を示した。ベッセント米財務長官も9日、x(旧ツイッター)への投稿で「戦後最大の得票差を確保した歴史的な勝利」と高市氏を祝福した。

3月19日、高市首相は就任後初めて米ホワイトハウスを訪問し、トランプ大統領と会談する予定。経済安全保障分野での日米の強固な協力関係が再確認されるだろう。日米関税交渉で合意した5500億ドル(約84兆円)の対米投融資の第1弾となる3つのプロジェクト(データセンター向けのガス火力発電、原油積み出しの深海港の整備、人工ダイヤモンドの生産工場)の詳細が公表され市場の注目を集めよう。さらに第2弾として原子力発電所の建設案件が有力候補になっており、関連銘柄の注目材料となりそうだ。

高市政権は長期政権となるための2つの条件を満たしている。安定した長期政権は中長期的な成長戦略を打ち出しやすい。政策の不確実性が低下することと相まって、経済活動、とくに国内の民間設備投資にはプラスの影響を与えるだろう。2月末にかけて、日経平均が、衆院選後の高値を大きく超えてきたが、安定的した政権基盤のもとで政策実行の確度と予見可能性が一段と高まったことで国内外からの資金流入が強まっているとみられる。とりわけ海外投資家は政治の安定を重視する傾向があり、過去の自民党圧勝時に見られたように、今回も資金流入が継続する可能性が高いだろう。ちなみに、05年8月の小泉政権の「郵政解散選挙」後に海外投資家はその後のピークまで16.6兆円の買い越し、12年12月の「第2次安倍政権発足」後からその後のピークまで18.8兆円買い越している。今回、高市政権が発足した昨年10月に海外投資家は3.4兆円買い越した。11月、12月は売り越したが、今年1月に2.35兆円買い越した。今後、海外投資家の買いが日本株の上昇をけん引するだろう。

高市政策が追い風となる明電舎、日本製鋼所、三井E&Sに注目。

 

株式投資戦略を考えるうえでは高市政権が掲げる戦略分野への「危機管理投資」と「成長投資」が重要な観点となる。25年11月には、成長戦略の方向性や具体策を示す「日本成長戦略本部」を立ち上げ、①AI(人工知能)・半導体、②造船、③量子、④合成生物学・バイオ、⑤航空・宇宙、⑥デジタル・サイバーセキュリティー、⑦コンテンツ、⑧フードテック、⑨資源・エネルギー安全保障・GX、⑩防災・国土強靭化、⑪創薬・先端医療、⑫フュージョンエネルギー、⑬マテリアル(重要鉱物・部素材)、⑭港湾ロジスティクス、⑮防衛産業、⑯情報通信、⑰海洋の17の戦略分野を確定した。25年12月に成立した25年度補正予算では、一般会計の総額18.3兆円のうち、6.4兆円を危機管理投資・成長投資に充てている。今後、17の戦略分野については3月から目標・道筋・政策手段を明確にした「官民投資ロードマップ」が策定され、夏にまとめる「成長戦略」に反映される見通しだ。

ロードマップの提示は早いテーマで3月、それ以外は4〜5月に集中して提示される見通しで、株式市場でも改めて注目されるだろう。なかでも高市首相の熱意が高いのはAI・半導体、デジタル・サイバーセキュリティー、防災・国土強靭化、マテリアル、防衛、海洋などで、関連セクターとしては、通信・ITサービス、建設、造船・プラント、海運、鉱業などが注目されよう。電力設備投資関連の明電舎、防衛関連の日本製鋼所、海洋で三井E&Sに注目したい。

明電舎(6508・東証プライム)=主力の「電力インフラ事業」では、電力会社などに電気を作り、送るための重電機器やシステムを提供している。国内外における電力機器(変圧器、開閉器、避雷器など)の需要拡大を見据えた生産能力の増強に注力。28年3月期に営業利益250億円(25年3月期実績215億円)を目標にしている。

日本製鋼所(5631・東証プライム)=防衛関連機器分野は火砲システムやミサイル発射装置が得意分野。今26年3月期は生産拠点の整備拡充による従来製品の供給能力の拡大に取り組むほか、次期装輪装甲車の量産に向けた生産体制の構築を進めている。今期の営業利益は防衛関連機器や電力・原子力製品が牽引し、前期比同7%増の245億円を計画している。

三井E&S(7003・東証プライム)=舶用エンジンで国内トップシェアを誇るほか、港湾クレーンなど、海洋領域の機械事業を中核事業としている。造船投資の活発化を背景に、環境にやさしい船舶エンジンの売上げが好調に推移している。今26年3月期の営業利益は前期比51%増の350億円を見込んでいる。今期の配当金は50円と前期の20円から30円増配する計画。株価は好調な業績と株主還元の拡充を好感する流れが続こう。

 

(3月20日記)

 

このページの先頭へ